診療看護師、通称NPとは看護師のなかでも大学院の修士課程において、医学の知識と初期医療に関する実践について修了した看護師のことをいいます。医療現場で医師が何かしらの事情によって患者への対応が困難な場合に、ある程度の医療行為ができることが大きな特徴です。ある程度の医療行為には、あらかじめ作成された手順書など包括的指示による特定行為と医師からの具体的な指示による相対的医行為があります。例えば、包括的指示による特定行為には気道確保に関する呼吸器関連のものや循環器関連のもの、ろう孔や創傷管理関連に関するものなどがあります。相対的医行為にあるものは腹腔穿刺や気管内挿管、手術助手などです。また、診療看護師は患者を全体で捉えることができるように疾患に対する基礎知識や診療内容などについても教育を受けています。したがって、医師が不在の場合でも患者の病状を把握し、検査や処置をおこなうことも可能です。診療看護師になる方法は、まず看護師として5年以上の実務経験を積みます。そして、診療看護師の教育課程がある大学院に進学して2年間履修します。2年間で必要な単位を修得したのち、修士論文の審査や試験の合格をへて大学院を卒業。看護学の修士の学位を取得することで、診療看護師の認定試験の受験資格が得られます。大学院卒業後に日本NP教育大学院協議会が管轄する認定試験を受験して合格し、国立病院機構による認定を受けることで、各医療機関で診療看護師としての勤務が可能になります。